臨床研究を語る

主に循環器の臨床研究について紹介します

臨床研究エキスパート という人達

世の中は言ったもん勝ちみたいなところがあるが、日本では臨床研究エキスパートといえる人などほぼ皆無に等しいと思っている。

自分のことをトライアリストと呼ぶ人もいる。トライアリストというのはトライアル=臨床試験を行うエキスパートのことである。単に臨床試験に参加しているだけではトライアリストではないのだが、自分ではレジストリーしか行っていない人でも最近はトライアリストと言ってしまっているらしい。さらに、大規模臨床試験のサブ解析をしただけで自分のことを臨床研究エキスパートと呼んで本まで書いている人もいる。日本で「生物統計家」として売り出している人達も同様である。臨床試験のことも生物統計のこともあまり分かっていないのに色々なところで講演してしまうので混乱が生じてしまう。こちらの方が小恥ずかしくなってしまうのだが、問題なのは我々の多くが「偽物」と「本物」を見抜く力を持っていないことである。ある程度の肩書きがあれば「本物」に違いないと思ってしまい騙されてしまう。

由々しき事態を打開するには「本物」が多くでてきてくれることを願うしかない。