臨床研究を語る

主に循環器の臨床研究について紹介します

抗凝固薬を一生飲ませようとする製薬会社

Elderly AF を読んだ。これはワーファリン投与が困難な超高齢者を対象としてリクシアナ15mgの有効性、安全性を検討した試験である。 一読すると、脳梗塞発症率も高いしリクシアナ15mgは出血を増やさず脳梗塞を予防していて素晴らしいように見える。…

臨床研究エキスパート という人達

世の中は言ったもん勝ちみたいなところがあるが、日本では臨床研究エキスパートといえる人などほぼ皆無に等しいと思っている。 自分のことをトライアリストと呼ぶ人もいる。トライアリストというのはトライアル=臨床試験を行うエキスパートのことである。単…

STOPDAPT-2

STOPDAPT- 2のコメントを書けず、悶々としていた。 先行研究のSTOPDAPT試験では,everolimus溶出ステント留置後の抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)期間を3ヵ月に短縮する治療戦略の安全性が示されている(有効性は示せなかった)。今回はさらにDAPT投与期間を…

New England Journal 名物編集長交代 チャンス到来か?

19年にわたりNew England Journal of Medicineの編集長を務めたJeffrey Drazen氏が最も印象深かった論文12本を発表した。いずれもなるほどと思わせるような選択である。是非ご一読を。 https://cdn.nejm.org/pdf/Drazens-Dozen.pdf Drazen 氏は古典的な大…

京都大学からSGLT2 阻害薬DECLARE TIMI 58試験とSTOPDAPT2試験

ACC 2019 学会記DECLARE試験とSTOPDAPT2試験 今回のアメリカ心臓病学会で特に楽しみにしていたのが2名の日本人医師によるLate Breaking Clinical Trialの発表である。まず口火を切ったのは京都大学医学部附属病院の加藤恵理先生だった。加藤先生は新進気鋭…