臨床研究を語る

主に循環器の臨床研究について紹介します

New England Journal 名物編集長交代 チャンス到来か?

19年にわたりNew England Journal of Medicineの編集長を務めたJeffrey Drazen氏が最も印象深かった論文12本を発表した。いずれもなるほどと思わせるような選択である。是非ご一読を。

https://cdn.nejm.org/pdf/Drazens-Dozen.pdf

 

Drazen 氏は古典的な大規模RCTを好んで掲載した為、企業との癒着だ、と批判とされたこともあった。しかしこれは大規模RCTに対するやっかみだろう。

 

個人的には姉妹ジャーナルをだしているLANCETやJAMAよりも孤高の雑誌NEJMの方が潔く見える。Lancetは教授という肩書を重んじることでも有名で、共著者リストはわざわざDr.からProfessorに変更することになる。

 

NEJMに話を戻そう。Drazen氏の引退後に何が変わるのか。大規模RCTの人気は当分続くが、ビッグデータ解析論文が増えるのではないかとささやかれている。またネガティブトライアルも掲載するようになると言われている。本当のところは誰も分からない。単なる希望的観測のようにも思えるが、商業雑誌の波に飲み込まれず科学の質を保ってほしいと切に願うばかりである。